
伊豆急下田駅から徒歩約1分。旅の玄関口にある「下田時計台フロント」

伊豆急下田駅に寄り添うように佇むレトロモダンな建物、「下田時計台フロント」。のれんをくぐるとお土産品が並ぶ売店、2階には地場産の食材が楽しめるレストラン・カフェがある、下田の旅に欠かせないスポットです。創業は、伊豆急下田駅が開業した1961(昭和36)年。65年もの間、駅とともに下田を訪れる人を出迎え、見送ってきた街のランドマーク的な存在です。
「店の名前には、2つの意味が込められているんです」とは、代表の長池 茂さん。「もともとは、いろんな人が集まってたわいもない話ができる場所にしたいという思いではじまった店で、店名は普通に論ずる洞と書いて『普論洞』でした。僕の代でカタカナの『フロント』にしたのは、下田の玄関口になろうという思いからです」
下田のサロンであり玄関口でもある“フロント”。代々の思いが宿るお店のつくりを眺めるのも一興です。

創業当時の梁などが建物と歴史を支える。

時計台の内側に、人と人をつなぐといわれる白龍が登る。
下田ランチにおすすめ。クレソンサラダ・カレーうどん・地金目鯛炙り寿司

クレソンは、長池さんの同級生がクレソンに魅せられて開いたひらたけ農園産。
フロントのレストラン・カフェで食べたいのが、ここでしか味わえない下田の山の幸、海の幸を使ったオリジナルメニュー。考案しているシェフは、長池さんの弟さんです。
人気メニューのひとつが、「下田クレソンサラダ」(800円)。たっぷりのクレソンに地海苔と塩だれドレッシングをかけたシンプルな一皿ながら、ピリッとした辛味と磯の香りがやみつきになるオトナのサラダです。「下田の清流が育んだ味の濃いクレソンです。旬は春ですが、生産者の努力で一年を通して提供しています。夏は辛味が少し強めなんですよ。ぜひ季節ごとのクレソンの味わいを感じてください」

マイルドな味わいで子どもにも大好評の「下田カレーうどん」。
もうひとつは「下田カレーうどん」(1,650円)。カツオ出汁のカレーに、下田産のサザエ、布海苔(ふのり)、地海苔がトッピングされた食べ応え満点の一杯です。海鮮の旨味が凝縮されたクリーミーなカレーは、うどんとの相性抜群。カレーがよく絡むもちもちの麺に、コリコリしたサザエやふわふわの海苔など、いろいろな歯応えも楽しめます。

フロントで使う金目鯛は、シェフの知り合いの漁師が獲る最高級の地キンメ。
金目鯛は炙るのがフロント流。「地金目鯛炙り寿司」は、甘めの酢飯に香ばしく炙った金目鯛がのった押し寿司です。「そのまま食べてもおいしいですが、下田塩をつけると金目鯛の旨味をより一層感じていただけます」。ランチにはそばやうどんがつくセットメニュー(2,000円)が人気。旅のお供としてテイクアウト(1本1,100円、2本2,100円)ができるのも、下田の玄関口を担うフロントらしいおもてなしです。
下田のお土産探しに。IPPINが伝える地元の逸品

IPPIN誕生のきっかけになった高橋養蜂のハチミツ(550円〜)。無添加・無精製で、季節ごとの下田の花の風味を感じられる。
お菓子や乾物、調味料、ハチミツ、紅茶など、フロントの1階の売店には、「IPPIN」の看板のもとに、お土産やギフトになりそうなアイテムがずらりと並んでいます。IPPINとは、長池さんたちが厳選した“伊豆下田の逸品”。「地元の良いものにスポットライトを当てたい」とはじめたフロントオリジナルのセレクトブランドです。
「IPPINのきっかけは、高橋養蜂さんのハチミツでした。偶然見つけて食べてみたらあまりにもおいしくて。フロントでも販売させていただきたいと思って、生産者の高橋鉄兵さんに直談判しに行ったんです。そこで見たのは、高橋さんのミツバチにかける愛情。ハチミツのおいしさを裏付ける彼の姿を伝えたくてディスプレイを工夫したら、大きな反響がありました。良い商品には必ずストーリーがある。それも伝えていきたいです」
ボタンひとつでなんでも買える時代ですが、フロントで「なにを買おうかな」と思う時間にはオンラインでは味わえない幸せがあります。それは、商品一つひとつに生産者の思いを感じるから。「IPPINは、作り手とお客さま、そして両者をつなぐ僕たちも幸せになれる“三方良し”の仕組みでもあります」

「下田ミルクもち」(1個200円)は、長池さんが同級生のパティシエと開発したお菓子。初代アメリカ総領事ハリスが栄養補給のために飲んだというミルクにちなんで。

農薬・肥料不使用。山の力だけで育てた「究極の紅茶」(ティーバッグ885円/写真右、リーフ1,380円/写真左)。淹れたてはレストラン・カフェでも味わえる(510円)。
「下田時計台フロント」は、下田を知り、下田をどんどん好きになる場所

代表の長池さん。長池さんが故郷である下田を愛するようになったのはフロントがあったから。
長池さんの祖父が中心となって立ち上げ、2026年で創業65年を迎えたフロントですが、道のりは決して平坦ではなく、波瀾万丈だったといいます。
「僕は下田で生まれ育ち、大学進学を機に東京に出ているんです。30代で大病をし、リハビリのために下田に帰ってきたときにフロントに関わるようになったのですが、当時は経営難の真っ只中。一筋縄ではいかない仕事や思い通りにならない自分の体を前に、ふさぎこんだり自暴自棄になったりしたことも……。そんな時期に毎晩同級生が『飯食おう』『飲みに行こう』と誘ってくれて。専務だった叔父、スタッフたちもそばで支え続けてくれていました」
今、大切な人たちがいる下田に感謝をしたい、彼らに恥ずかしくない自分でいたいという一心でフロントに立つ長池さん。「僕に町おこしをやる度量はない」と笑いますが、長池さんがオリジナルメニューやIPPINを追求し続けることは、彼らへの恩返し、そして下田の発展にもつながっています。
下田を愛する人たちの思いが循環するフロント。フロントに来れば、この街を知ることができ、振り返ることもできる。下田を訪れたときは、ぜひのぞいてみてください。

「下田時計台フロント」は、下田ベイクロシオの最寄駅である伊豆急下田駅の目の前。下田ご到着時のランチや休憩、旅終わりのお土産探しにぴったりのスポットです。なお、下田ベイクロシオは伊豆急下田駅までの無料送迎サービス(予約制)を行なっております。
下田ベイクロシオでは、素泊まりでご宿泊のお客様にも、下田の町を楽しんでいただけるよう、周辺の食事処や立ち寄り先をご案内しています。
